Raspberry Pi Pico 最初の使い方
~ 何もできないから何でもできる ~
2022-04-04 作成 福島
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Raspberry Pi Pico (以下、Pico と略称) のサイトにある使い方は丁寧で非常にわかりやすいのですが、
手順書ではないのと、英語で記述されているのでここにまとめます。

ここでは、製品購入時の動作チェックとして、MicroPython が動作することを確認します。
MicroPython に使える IDE にはいくつか選択肢がありますが、軽くて直感的な Thonny を使用します。
Pico で使用可能な IDE
IDE 名称インストーラの大きさ
Thonny約 17MB
Visual Studio Code約 77MB
Arduino IDE約 114MB
Pico は Raspberry Pi シリーズのひとつですが、その象徴である Linux (Raspberry Pi OS) はサポートされていません。
公式サイトでは Computers ではなく Microcontrollers に分類されています。

0. ソフトウェア設定要件

ソフトウェアバージョン備考
PCWindows10 Pro 21H2 64bit-
Pico のファームウェアMicroPython v1.18本稿記述時の最新版
IDEThonny 3.3.13本稿記述時の最新版


1. Pico の初期化

1-1. USB メモリとして PC に接続

Pico を BOOTSEL ボタンを押しながら PC に接続する。
このときのケーブルは Micro-USB (データ転送用) を使用する。
← BOOTSEL ボタンはココ。
これを押しながら USB ケーブルで PC に接続する。

PC からは USB メモリとして認識され、中に入っているファイルを見ることが出来る。
→ あとでこの中へファームウェア (MicroPython) をコピーする。
Pico に入っているファイル
INDEX.HTM
INFO_UF2.TXT
ここで Pico が初期化されたように見えるが、これだけで初期化はされない。
誤って BOOTSEL ボタンを押したまま USB ケーブルを接続しても、ボタンを離して再接続すれば前の状態のまま再起動する。

1-2. MicroPython のダウンロード

上記 1-1 で認識された USB メモリの INDEX.HTM をブラウザで開く。
www.raspberrypi.com のドキュメントページへリダイレクトされるので、インターネットに繋がっている必要がある。
(リダイレクトされる URL にはバージョン番号が含まれるので、購入した Pico のバージョンによって異なるページへ誘導されることが予測される。今回はここだった)

ドキュメントページにあるリンク「MicroPython」をクリックする。

Microcontrollers のページが表示されるので、
Download the MicroPython UF2 file.
をクリックすると、
rp2-pico-YYYYMMDD-vN.NN.uf2 がダウンロードされる。
(今回は rp2-pico-20220117-v1.18.uf2 だった)

UF2 ファイル = USB Flashing Format Data: Microsoft が PXT 用に開発したファイル形式。

1-3. MycroPython のインストール

インストールと言っても、ファイルをコピーするだけ。

上記 1-2 でダウンロードした UF2 ファイルを上記 1-1 で開いてある USB メモリにコピーする。

コピーが終了すると自動的に Pico が再起動し、以降は USB メモリとしては動作しなくなる。
(再度 USB メモリとして動作させるには、BOOTSEL ボタンを押しながら PC に接続すれば良い)


2. Thonny のインストール

MycroPython をインストールした Pico は、上記 1 だけでは何も操作できなくなる。
操作できるよう、Windows10 に Thonny をインストールする。

2-1. Thonny のダウンロード

Thonny (Python IDE for beginners) の Web ページを開き、インストーラをダウンロードする。

thonny-N.N.NN.exe
(この時は thonny-3.3.13.exe だった)

2-2. インストーラの実行

上記 2-1 でダウンロードした Thonny のインストーラ (thonny-N.N.NN.exe) を実行する。

→ Install for me only (recommended)」をクリックする。
  ⇓
ボタンをクリックする。
  ⇓
ボタンをクリックする。
  ⇓
ボタンをクリックする。
  ⇓
ボタンをクリックする。
  ⇓
ボタンをクリックする。
  ⇓
ボタンをクリックする。
  ⇓
待つ。
  ⇓
ボタンをクリックする。


3. Thonny の初期設定

メニュー - Thonny をたどり、Thonny を起動する。
  ⇓
Language: に を選択して ボタンをクリックする。
Initial Settings は標準 (Standard) のままにする。
  ⇓
Thonny のメイン画面が表示される。
メニューの「ツール」から「Options..」を選択する。
  ⇓
「インタプリタ」タブを選択し、インタプリタに「MicroPython (Raspberry Pi Pico)」を選択する。
  ⇓
ボタンをクリックする。
  ⇓
上記 1 で初期化した MicroPython と通信が成功し、Shell ペイン (メイン画面下方) に現れた MicroPython の REPL からバージョンが表示された。

本稿では「MicroPython v1.18 on 2022-01-17」。
  ⇓
「Hello world」を表示させて MicroPython の動作確認をする。

MicroPython の互換性は Python3 なので、print はステートメントではなく関数。(括弧が必要)

Thonny の設定ファイルは以下に作成されるので、設定を初期化したい場合はこれを削除してから Thonny を起動すれば良い。
C:\Users\who\AppData\Roaming\Thonny\configuration.ini
(who は Thonny をインストールしたユーザのホームフォルダー)


4. Pico の LED を点灯させる

Pico には標準装備の出力装置として LED がひとつあるので、I/O ポートの動作確認にはこの LED を点灯させる。
← 点灯させる LED はココ。
Thonny の Shell ペインに以下を入力する。
MicroPython はインタプリタ (と言うか REPL) なので、即時実行される。
 Shell × 
>>> 
>>> 
from machine import Pin
Pin(25, Pin.OUT).value(1)
・25 は GP25 (GPIO の 25 番ピン) の意味で、LED に割り当てられている。変更はできない。
・LED を消灯するには ~.value(0) として実行する。
LED が点灯すれば、動作確認の完了とする。