ラズパイ 400 のセットアップ
〜 OS の書き込みから日本語入力まで 〜
作業時間の目安: 約 120 分
これは本体です。ただのキーボードではありません。
2021-03-20 作成 福島
2021-07-30 更新 福島
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ラズパイ 400 (Raspberry Pi 400 本家 UK 版) を入手したので、使い方を記述します。
普通の人は、技適の通った日本版の発売を待ってください。
UK 版キーボードは、JIS 配列と似ていますが、少し違います。でもちゃんと日本語入力ができます。

周りに PC を持っている人がなく、いきなりラズパイ 400 を使う人は、Raspberry Pi 400 キット (+5,060 円) を購入してください。
(Windows 等の PC が無いと、「ラズパイ OS」を microSD に書き込めないため)
その「キット」には、予め「ラズパイ OS」の入った microSD が付属しているので、機器を接続するだけですぐに使い始めることができます。
(2021-07-29 に発売開始されたようです)

ラズパイ OS (Raspberry Pi OS) とは、2012 年~ 2020 年の春まで Raspbian と呼ばれていた Debian 系の Linux のことです。
他のラズパイ (Pico を除く) も同様の手順でセットアップ出来ますが、本稿ではラズパイ 400 を前提に書いています。

0. 用意するもの
項目内容価格備考
本体ラズパイ 400
(Raspberry Pi 400)
9,790 円日本版の価格。
今回説明する UK 版は、為替相場によるがこれより少し安い。注文から 4 日で到着する。
ストレージmicroSD約 800 円SDHC 規格 (8GB ~ 32GB)。
Windows PC で書き込めるよう、SD アダプタ付属のものにします。
電源USB-C の AC アダプタ約 1,100 円5V 3A のもの。スマートフォン用は電流不足で使えないことがあるので注意。
ラズパイ 400 には電源スイッチが内蔵された。(→ON / +3秒→OFF)
なのでスイッチ無し電源で OK。
マウスUSB 1.0 ~ 2.0 の普通のもの約 600 円安価なマウスで OK。
表示装置マイクロ HDMI ケーブル約 900 円ラズパイ 400 には RCA ビデオ出力 (黄色のコネクタ) がありません。
HDMI 接続のディスプレイ約 6,000 円~インストールだけなら キャプチャーボード + PotPlayer でも OK。
音声出力ラズパイ 400 にはイヤホンジャックが無い。音声は HDMI から出力されます。
通信環境インターネット環境
(WiFi ルータ)
-ラズパイ OS をダウンロード/更新します。
有線でも OK だけど、ラズパイ 400 は WiFi も内蔵しています。
ラズパイ OS は 1.1GB もあるので、モバイルルータは避けたほうが良い。
PCWindows10-microSD に書き込めるもの。
特にデスクトップ PC はカードスロットが無いかもしれないので要確認。
「キット」を購入する場合は不要。
microSD + AC アダプタ + マウス + マイクロ HDMI ケーブル ≒ 3,400 円なので、
差額約 1,600 円が許容できるなら、手間の少ない「キット」(14,850 円) を購入したほうが良いかもしれません。
(既に HDMI と PC を使っているなら、追加購入は AC アダプタとマイクロ HDMI ケーブルかと思う)

1. PC で作業 - OS インストーラ (Imager) のダウンロード
公式ソフトウェアのページから Imager のインストーラをダウンロードする。
をクリックして
imager_x.x.exe をダウンロードする。


過去のバージョンはダウンロードサイトから imager_x.x.exe をダウンロードする。

2. PC で作業 - Imager のインストール
ダウンロードしたインストーラを実行する。
インストーラ (imager_x.x.exe) を右クリックし、「開く(O)」を選択する。

UAC (User Account Control) が表示されるので をクリックする。

ボタンをクリックする。

Run Raspberry Pi Imager」にチェックを入れ、
ボタンをクリックする。
  ↓
「3. Imager の実行」へ。


3. PC で作業 - Imager の実行
前段で「 Run Raspberry Pi Imager」にチェックがあれば、ここで Imager が起動する。

ボタンをクリックする。

microSD に書き込む OS (Linux) の選択。
一番上に表示されている「Raspberry Pi OS (32-bit)」を選択する。

ワープロや表計算などを含む「Raspberry Pi OS Full (32-bit)」
も選択できるが、ダウンロード時間が 2 倍 (2.8GB) の 2 時間になる。


microSD カードを PC に挿入して、
ボタンをクリックする。

書き込み先デバイスの選択。
挿入した microSD カードが、ここでは E:\ (Mounted as E:\) として認識されている。
間違えないように、注意して SDHC カードを選択する。

ボタンをクリックする。

書き込みの警告表示。
SDHC カードにあるすべてのデータは削除されます。
あなたは本当に続行を望んでいますか?


ボタンをクリックする。

ダウンロードが開始されるので、ひたすら待つ。
通信環境にもよるが、完了まで約 1 時間を要する。

書き込み完了。
Raspberry Pi OS (32-bit) は SDHC カードに書き込まれています。
あなたは SD カードを取り出すことができます。

SDHC カードを PC から取り出して、 ボタンをクリックする。

続けて書き込み。
もし必要なら、microSD カードを PC に挿入して から書き込みを繰り返す。
OS のダウンロードは完了しているので、2 枚目からは書き込みだけになり、作業時間は短くなる。

書き込む microSD カードがもうなければ、右上の×をクリックして Imager を終了する。

ここで microSD カードの容量を確認すると、下記の様に大きな未割り当て領域 (10.75GB) が残っている。
これは、ラズパイ 400 の初回起動時に、自動的に拡張されて未割り当て領域が有効活用される。

今回は 16GB の microSD カードを使用している。

4. ラズパイ 400 で作業 - ラズパイ 400 の起動
ラズパイ OS が書き込まれた microSD カードをラズパイ 400 に挿入し、電源を入れる。
(AC アダプタを接続すると電源が入る)
起動するが、microSD に未割当領域を発見したので、これを使ってストレージを拡張するため、すぐに再起動する。


再度起動した。
最初なので、設定ウィンドウが表示されている。
画面の周りにある黒い縁取りは後述の設定で、なくすことができる。

ここで microSD カードの容量を確認すると、さっきまであった未割り当て領域 (10.75GB) が、前方の領域に統合されたことが分かる。


5. ラズパイ 400 で作業 - 初期設定
設定ウィンドウに従って初期設定を行う。
Raspberry Pi Desktop へようこそ!
これを使い始める前に、いくつか設定することがあります。
開始するために 'Next' を押してください。

ボタンをクリックする。

国情報の設定
使用場所の詳細を入力してください。
これは、言語、タイムゾーン、キーボード、その他の国際的な設定に使用されます。
選択ができたら、'Next' を押してください。

下記情報を設定して ボタンをクリックする。
CountryJapan
LanguageJapanese
TimezoneTokyo


ユーザ pi のパスワード設定
デフォルトユーザ 'pi' のパスワードは現在 'raspberry' です。
これとは違う、あなただけが知るパスワードに変更することを強く勧めます。
'Next' を押して、新しいパスワードを有効にしてください。

下記情報を設定して ボタンをクリックする。
Enter new password********
Confirm new password********
Hide characters」のチェックを外せば、入力したパスワードが表示される。


画面の設定
デスクトップは画面全体に表示すべきです。
画面の端に黒い境界線がある場合は、下のボックスをチェックしてください。
'Next' を押して設定を保存してください。
変更は Pi の再起動時に有効になります。

This screen shows a black border around the desktop
にチェックを入れ、 ボタンをクリックする。


WiFi ネットワークの選択
リストからあなたの WiFi ネットワークを選択してください。
'Next' を押すと接続します。'Skip' を押すと接続せずに続行します。

リストから自分の SID を選択して ボタンをクリックする。


WiFi パスワードの入力
WiFi ネットワーク 'xxxxxxxx' のパスワードを入力してください。

下記情報を設定して ボタンをクリックする。
Password********
Hide characters」のチェックを外せば、入力したパスワードが表示される。


ソフトウェアの更新
OS とアプリケーションがチェックされ、必要であれば更新します。
これには大規模なダウンロードが生じる場合があります。
'Next' を押してソフトウェアを更新するか、'Skip' を押してチェックせずに続行してください。

ボタンをクリックする。


待つ。
通信環境にもよるが、約 30 分程度。

ソフトウェアの更新の完了
システムは最新です。

ボタンをクリックする。


設定完了
Raspberry Pi がセットアップされ、準備ができました。
アプリケーションを実行するには、画面の左上にあるラズベリーアイコンをクリックしてメニューを開いてください。
'Restart' を押して Pi を再起動すると、新しい設定が有効になります。

ボタンをクリックする。


6. ラズパイ 400 で作業 - 日本語環境の設定
上記設定によって、ラズパイ 400 の画面が日本語化されて「ゴミ箱」の表示が見える。
黒の縁取りも消え、全画面が使用できている。
趣味の問題だと思うが、壁紙はもう少し暗いものに変更したほうが良いと思う。(趣旨と異なるので、このまま進めるが)
この景色はミャンマーらしい。


ラズベリーアイコン - 設定 をたどり、Raspberry Pi の設定 を選択する。


Raspberry Pi の設定

「ローカライゼーション」タブから「キーボードの設定(K)」を選択する。


キーボード

下記を選択し、 ボタンをクリックする。
モデルGeneric 105 key PC (intl.)
配列English (UK)
種類English (UK)


Raspberry Pi の設定

元の画面に戻るので、 ボタンをクリックする。


Mozc のインストール (Google日本語入力のオープンソース版)
ラズベリーアイコン - アクセサリ をたどり、LXTerminal を選択する。



apt-get でインストールするので、インターネットに接続できていること。
pi@raspberrypi:~ $ sudo apt-get install ibus-mozc -y
pi@raspberrypi:~ $ exit

再起動する。






Mozc の有効化
再起動すると、画面の右上に入力モード (EN) の表示が追加されている。
ここから「日本語 - Mozc」を選択する。



入力モードの表示が変化 (EN → A) し、「入力モード(A)」「ツール」が選択できるようになる。
「ツール」から「プロパティ」を選択する。



Mozc プロパティ
「一般」タブから「キー設定の選択」の をクリックする。



Mozc キー設定
下記のように変更し、 ボタンをクリックする。
モード入力キーコマンド
変換前入力中Ctrl SpaceIMEを無効化
変換中Ctrl SpaceIMEを無効化
直接入力Ctrl SpaceIMEを有効化
入力文字なしCtrl SpaceIMEを無効化

これで + を押すと漢字変換が切り替わるようになる。

UK 版には キーが無いので、伝統的なこのキーにします。


「新しいアプリケーションから有効」と書いてあるが、これは再起動しろという意味。


再起動する。





以上で、基本のセットアップは完了。