Windows は DHCP の NIC に複数の IP アドレスを付与することができないので、DHCP だけの PC に本稿を適用することはできません。(2) 一時的に管理者の権限が必要
IP Messenger のインストール中に管理者の権限が必要になります。
(ファイアウォールの調整らしい)
種類 バージョン 備考 Windows Windows10 (1809) 本稿記述時の最新版。
Windows とネットワークプロパティが対応していれば、
他バージョンでも実現可能です。アプリケーション IP Messenger v4.98 本稿記述時の最新版
VirtualBox に Windows を構築しているため、192.168.56.0/24 を使用しています。
アカウント IP アドレス ネットマスク 備考 user1 192.168.56.10 255.255.255.0 PC に Windows をインストールしたときのもの。 user2 192.168.56.11*1 255.255.255.0 Windows の標準ユーザ。管理者でも構いません。
このアカウントを予め作成し、リモートデスクトップを許可しておいてください。
IP アドレスとネットマスクは、項 1 で設定します。
1-1. 空きアドレスを調査2. IP Messenger をそれぞれにインストール
IP Messenger に割り当てる IP アドレスが使用されていないことを確認する。1-2. 所属ネットワークを調査
※一時的に使われていないアドレスが隠れている可能性があるので、LAN につながっている機器はすべて起動しておくこと。
*1 が含まれていないことが分かる↑
>_ Windows PowerShell
Windows PowerShell Copyright (C) Microsoft Corporation. All rights reserved. PS C:\> ping 192.168.56.11 192.168.56.11 に ping を送信しています 32 バイトのデータ: 要求がタイムアウトしました。 要求がタイムアウトしました。 要求がタイムアウトしました。 要求がタイムアウトしました。 192.168.56.11 の ping 統計: パケット数: 送信 = 4、受信 = 0、損失 = 4 (100% の損失)、 PS C:\> arp -a インターフェイス: 192.168.56.10 --- 0xa インターネット アドレス 物理アドレス 種類 192.168.56.1 0a-00-27-00-00-10 動的 192.168.56.100 08-00-27-c6-0a-34 動的 192.168.56.255 ff-ff-ff-ff-ff-ff 静的 224.0.0.22 01-00-5e-00-00-16 静的 224.0.0.252 01-00-5e-00-00-fc 静的 239.255.255.250 01-00-5e-7f-ff-fa 静的 255.255.255.255 ff-ff-ff-ff-ff-ff 静的 インターフェイス: 10.0.2.15 --- 0xd インターネット アドレス 物理アドレス 種類 10.0.2.2 52-54-00-12-35-02 動的 10.0.2.255 ff-ff-ff-ff-ff-ff 静的 224.0.0.22 01-00-5e-00-00-16 静的 224.0.0.252 01-00-5e-00-00-fc 静的 239.255.255.250 01-00-5e-7f-ff-fa 静的 255.255.255.255 ff-ff-ff-ff-ff-ff 静的 PS C:\>
IP Messenger に割り当てるネットワークが属すインターフェイスを確認する。1-3. IP アドレスを追加する
*1 が属すべきは「イーサネット:」であることが分かる↑
>_ Windows PowerShell
Windows PowerShell Copyright (C) Microsoft Corporation. All rights reserved. PS C:\> ipconfig Windows IP 構成 イーサネット アダプター ローカル エリア接続: 接続固有の DNS サフィックス . . . . .: example.jp リンクローカル IPv6 アドレス. . . . .: fe80::4df2:94e7:31d3:1d63%13 IPv4 アドレス . . . . . . . . . . . .: 10.0.2.15 サブネット マスク . . . . . . . . . .: 255.255.255.0 デフォルト ゲートウェイ . . . . . . .: 10.0.2.2 イーサネット アダプター イーサネット: ←これ 接続固有の DNS サフィックス . . . . .: リンクローカル IPv6 アドレス. . . . .: fe80::d08c:a4e2:ba91:9b8f%10 IPv4 アドレス . . . . . . . . . . . .: 192.168.56.10 ←これ サブネット マスク . . . . . . . . . .: 255.255.255.0 デフォルト ゲートウェイ . . . . . . .: PS C:\>
1-3-1. 上記 1-2 で調査したアダプターのプロパティを開く。1-4. 追加された IP アドレスを確認
1-3-2. 「インターネット プロトコル バージョン4(TCP/IPv4)」を選択して ボタンをクリックする。
1-3-3. 「インターネット プロトコル バージョン4(TCP/IPv4)のプロパティ」画面で ボタンをクリックする。
1-3-4. 「TCP/IP 詳細設定」画面で ボタンをクリックする。
1-3-5. 「TCP/IP アドレス」画面で、*1 の IP アドレスとネットマスクを追加する。
*1 が追加された↑
>_ Windows PowerShell
Windows PowerShell Copyright (C) Microsoft Corporation. All rights reserved. PS C:\> ipconfig Windows IP 構成 イーサネット アダプター ローカル エリア接続: 接続固有の DNS サフィックス . . . . .: example.jp リンクローカル IPv6 アドレス. . . . .: fe80::4df2:94e7:31d3:1d63%13 IPv4 アドレス . . . . . . . . . . . .: 10.0.2.15 サブネット マスク . . . . . . . . . .: 255.255.255.0 デフォルト ゲートウェイ . . . . . . .: 10.0.2.2 イーサネット アダプター イーサネット: 接続固有の DNS サフィックス . . . . .: リンクローカル IPv6 アドレス. . . . .: fe80::d08c:a4e2:ba91:9b8f%10 IPv4 アドレス . . . . . . . . . . . .: 192.168.56.10 サブネット マスク . . . . . . . . . .: 255.255.255.0 IPv4 アドレス . . . . . . . . . . . .: 192.168.56.11 ← *1 サブネット マスク . . . . . . . . . .: 255.255.255.0 デフォルト ゲートウェイ . . . . . . .: 192.168.56.1 Tunnel adapter Teredo Tunneling Pseudo-Interface: 接続固有の DNS サフィックス . . . . .: IPv6 アドレス . . . . . . . . . . . .: 2001:0:9d38:953c:1034:7cd:f5ff:fdf0 リンクローカル IPv6 アドレス. . . . .: fe80::1034:7cd:f5ff:fdf0%6 デフォルト ゲートウェイ . . . . . . .: :: PS C:\>
インストール後の設定項目3. メッセージ送受信テスト
アカウント スタートアップのフォルダ バインドのオプション user1 C:\Users\user1\AppData\Roaming\Microsoft\Windows\Start Menu\Programs\Startup\ /NIC 192.168.56.10 user2 C:\Users\user2\AppData\Roaming\Microsoft\Windows\Start Menu\Programs\Startup\ /NIC 192.168.56.11
user1, user2 で実施することはほぼ同じなので、ここでは user1 で説明します。
2-1. user1 でログオンする
違うアカウントでログオンしていたら、user1 に切り替える。2-2. user1 で IP Messenger をインストールする
2-2-1. IP Messenger をダウンロードする。2-3. 上記 2-1 ~ 2-2 を user2 として繰り返す。
窓の杜から IP Messenger のインストーラ (ipmsg498_installer.exe) をダウンロードする。2-2-2. ダウンロードしたインストーラ ipmsg498_installer.exe をダブルクリックして起動する。
(本家からダウンロードしようとすると、窓の杜とベクターを案内される)
ボタンをクリックする。2-2-3. IP Messenger を終了させる。
↓
ボタンをクリックする。
↓
管理者、標準ユーザにより、下記いずれかが表示されるので ボタンをクリックする。
※現在ログインしているアカウントが標準ユーザ (user2) の場合は、管理者のパスワードを記入してから ボタンをクリックする。
↓
プログレスバーがいっぱいになると、自動的にウィンドウが閉じるので、このまましばらく待つ。
インストール直後は IP Messenger が自動的に起動するので、これをタスクトレイから終了させる。2-2-4. スタートアップスクリプトを変更する。
エクスプローラでスタートアップのフォルダ2-2-5. IP Messenger が指定の IP アドレスに紐づいたことを確認する。
C:\Users\user1\AppData\Roaming\Microsoft\Windows\Start Menu\Programs\Startup\
を開き、その中の
「IPMSG for Win」
を右クリックし、「プロパティ」を選択する。
「リンク先(T)」にバインドのオプションを追加して ボタンをクリックする。
デスクトップにある IP Messenger のショートカットも同様に修正する。
C:\Users\user1\AppData\Local\IPMsg\IPMsg.exe /NIC 192.168.56.10 ← これを追加
2-2-5-1. Windows からログオフし、同一アカウントで再度ログオンする。
→上記 2-2-4 で修正したスタートアップスクリプトが動作し、IP Messenger が指定の IP アドレスで自動的に起動する。2-2-5-2. タスクトレイの IP Messenger のアイコンを右クリックし、「設定...」を選択する。
2-2-5-3. 「IP Messenger設定」画面で左ペインの「マスター設定」を選択すると右ペインに表示される「このPCのIPアドレス」が、指定と合っているか確認する。
そのとき、
・user1 を user2 と読み替える。
・192.168.56.10 を 192.168.56.11 と読み替える。
としてください。
user1, user2 がともにログオンした状態でメッセージを送受信する。
ログオンしていないと送信リストに自分が表示されないので注意。